2023春 部員日誌vol.7 岩田真秀 「まだ見ぬ君へ」
こんばんは。新3年の岩田です。あっという間に3年生になってしまいました。私は院進や留学などを考えていないので、大学生活も残り半分です。昔のことを思い返すと、高校生や浪人生、新入生の頃に東大ハンド部のブログを読んでいたなーとなったので、その時の自分に向けるような形で、大学で何をしようかスポーツやろうか悩んでいる人たちに書いていこうと思います。ちょっと長いですが、勉強の合間や電車の移動時間などに読んでいただけるとありがたいです。
私自身、中学の時にハンドボールと出会ってハンドボールを始めて今年で10年目になります。センスや体格がある人たちとは違い、平凡なハンドボール人生でありました。正直なところ、高校の頃は続けるのがしんどくて早く解放されたいと思っていたこともあります。受験勉強を言い訳にして、高校2年3月の大会を最後に引退してしまい、受験勉強に専念したものの結局は東大に落ちて一年間浪人してしまいました。現キャプテンの長岡は私の高校同期で同じクラスであったのですが、彼は私よりはるかに優秀で現役で合格していきました。さすがですね。1年間浪人していたのですが圧倒的に高校生の頃と比べて全く集中ができませんでした。12時間は余裕で集中できていたのが、2時間も持ちませんでした。同じように集中力が続かない友達と予備校の近くにあった公園で散歩したりして時間を潰していました。勉強時間は全然増えないのに、友達はどんどん増えていきました。そんな中、ハンドボールを持ってきた友達がいて、軽くキャッチボールをしたことがありました。これが想像もできないくらいに楽しくて、コンタクトパスまでして汗びっしょりになってしまったことを覚えています。この時に、ハンドボールもう一回本気でやりたいなーって思った始まりだったと思います。逃げるようにしてやめたハンドボールを私は大好きだったんだと自覚できた瞬間です。ちなみに、この時一緒にキャッチボールした二人も大学でハンドボールをやっています。考えることは一緒ですね。そんなこんなあって大学合格してからはハンド部に入ることを決めていたので、他の運動会やサークルの新歓はあまり参加せず、練習に参加していました。これは結構後悔しています。入る前にいろんなところみて回って友達でも作ればよかった。新入生はいろんなところに顔を出してみるといいと思います。素敵な出会いがあるかもしれません。
こんな感じで大学でもハンドボールを始めました。
ここからが本題です。大学でスポーツをするとなると、部活やサークルの選択肢があります。本気で取り組みたいとなると部活を選択することになるでしょう。難しくて抽象的な話になりますが、スポーツは社会文化的側面があって、様々な人がそれぞれの役割を持ってスポーツを支えています。そのスポーツのファンやチームのサポーター、チームスタッフ、協会の方々、コーチやスポーツトレーナーなど他にも多くの多種多様な人々が関わって世界中で熱狂を生み出しています。去年に開催されたW杯や現在行われているWBCはその最たる例でしょう。けど、間違いなく言えることとして、スポーツという文化の中心にいるのは競技を行うプレーヤーだということです。スポーツの諸要素の全ては結局のところプレーヤーに還元されるもので、プレーヤーが還元したものです。そんなみんなの憧れとしてのプレーヤーとして活躍できる時間は限られていて、一部のある意味特別な人たちにしか本気でプレーできません。プロでさえも若い頃しかプレーできないし、大学にやりたいスポーツがなければできないし、一般に学校を卒業して学生でなくなってしまったら働かないといけないので、本気でプレーできません。私は幸運でした。入った大学にハンドボール部があって、しかも、本気で取り組む環境が整っていました。やっぱり、プレーするのは色々あるけど楽しいです。これまで様々なことを経験してきましたが、スポーツをプレーすること以上に勝る喜びを私はまだ知らないです。しかし、そんな幸せな時間は永遠に続くわけではありません。私の場合、1年半後には引退しているだろうし、途中ケガで離脱してプレーできないかもしれません。そのかけがえのない時間を大切にしていきたいと考えています。まだ、入部していない人たちには4年弱もの時間があります。怪我で1年ほど途中で離脱していた私としては、みなさんの可能性に満ち溢れた長い時間が羨ましい限りです。
みなさんの大学生活の中で、本気でスポーツに取り組んでみませんか。大学にはこれまでなかった世界があり、どれも皆さんにとっては新鮮で魅力のあるものだと思います。私もそんなキラキラした?生活に対する漠然とした憧れがあります。しかし、未来の自分を考えた時に、十二分にハンドボールをプレーする環境があったのに刹那的な楽しさに走ってしまったようなことは、前の段落で書いたことから後悔するに決まっていました。ここまで読んでくれたみなさんの中で、私のような考えを持つ人もいるともいます。そんな方にはぜひ、我が東京大学ハンドボール部に入っていただきたいです。4年間本気でプレーして後悔のない学生生活を送れる環境が、ここにはあります。
末筆ではございますが、OBの方々をはじめとする東大ハンド部を応援してくださっている皆様にお礼申し上げます。
(追記)
途中、僕の好きな漫画の「ジャイアント・キリング」から台詞を引用しましたが、気がついた方はいらっしゃるでしょうか。(笑)