2023春 部員日誌 vol.12 松島弘武

こんにちは
東京大学運動会ハンドボール部新3年の松島弘武と申します。僕が入部して早くも一年半が経とうとしています。
今回せっかくお話する機会をいただきましたので、ハンド部に入ってから得た新たな知見を2つ紹介させていただきたいと思います。

1つ目は、瞬間的な言語化能力です。ハンドボールの試合では、オフェンスとディフェンスの切り替えが速く、自分の意志をチームメイトと短時間で共有します。相手の攻めの動きに対してどう修正するのか、次に行動すべきなのかを正確に共有することが求められるスポーツであるのに、野球やアメフトなどのように、十分な時間を取ることができません。
このジレンマを解決するために必要なのが、「瞬間的な言語化能力」です。お互いの理解度や能力に差がある中で、次のプレーで何がしたいのかやチームメイトに何を要求したいのかを、言語に落とし込むことができる人が重宝されます。東大のハンド部でプレーする以前には、なにか人に伝える際に正確に言語化するという意識などは持ち合わせておりませんでした。自分が知っているより高い段階での会話は、実践を通すことでしか得られない貴重な体験です。

2つ目は、物事の伝え方です。ハンドボールが上手になるためには、プレー内外での他人からのアドバイス、自分の中での内省が必須です。しかし、人間である以上、他人からの助言や、自分の悪い点を振り返ることは嫌なものだと思います。もちろん、助言を聞く姿勢を取り続けることは選手としての義務であることは間違いないですが、スキルを上げていくことに必要なコミュニケーションは、双方の気遣いによって成立するものだと思っています。
より具体的に言うと、あるプレーに対して「〇〇しろよ!」と自分の考えを押し付けるのではなくて、「〇〇した方がいい」という言い方のほうが、受け容れやすいものです。
あるK先輩が、「強く言ったほうが楽だけど、役に立たない」とおっしゃっていたように、チームのために役立つ存在というのは、細部のコミュニケーションにまでこだわりを持てる人と同義なのを実感しております。

上記の2つは短期的なもの(ハンドボール部で活躍するためのものなど)ではなく、これから将来を見据えたときに長期的にも大切なことだと思っています。
社会を経験したことがない自分が言うのも生意気だと感じられると思われますが、社会人と学生の大きな差は、細部のコミュニケーションの経験数だと思っています。ですので、現在ハンドボール部でそれを経験できている自分は幸せ者だと感じております。

新入生のみなさんへ、
大学生で行う部活は、高校のそれとはひと味もふた味も違い、プレー以外の面の細部までこだわりぬいています。一つのスポーツに長い時間をかけてしか得られない経験をしてみませんか?
お待ちしております!

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