部員日誌 新2年 岩田真秀 一人一人
こんにちは。新二年の岩田真秀です。
新二年になるというのに私自身全くを持ってその実感がありません。後輩の新入生を勧誘したり、新歓の役割分担がなされたりと新歓シーズン真っ只中なのに。頑張って新歓して、入部してくれた後輩たちに頼ってもらえるような先輩になります。
最近は暖かくなったと思ったら寒くなったりの繰り返しで、着る服や体調により一層気をつけなければならない一方で、春の訪れを明確に感じれるようになりました。草木は緑を増し桜はちょうど満開を迎えました。私自身も引っ越しをして新しい環境での生活に慣れていくとともに、昨年6月に怪我をした膝も徐々に復帰が見えてくるくらいには回復してきました。思えば、あの怪我をした日から季節が三度変わってしまいました。加えて、最後に試合に出てから三度季節が巡ってしまいました。もはや私自身どんなプレーをしていたのかうまく思い出せませんし、どうやって戻せばいいのかわかりません。たいしたプレーヤーではなかったのは覚えているのですが。。。わが部が2部でのリーグ戦に向けて調子をあげていく中に私も混ざれたらなと思います。
スポーツをやっていく上で他競技から学ぶものは多くあります。例えば、私が好きなロードレースでは「self-sacrifice」がとても重要です。このスポーツはハンドボールと同じチームスポーツでレースにはチームで登録して参加します。一人で参加することもありますが大抵は四〜八人で参加登録を行うことが多いです。ロードレースは長距離を専用の自転車で走って着順を競うレースです。ここで「ん?」となった人もいるのではないのでしょうか。「着順を競うのにチーム登録?」と言ったようなことを考えたが多いと思います。ロードレースにおいては各チームに基本一人一番強い「エース」と呼ばれる人がいてその人が勝利を狙います。他の選手は「アシスト」と呼ばれ、勝利を狙わず(狙えない)、自チームのエースをサポートします。高速領域で行われるためエースの風除けになったり、エースに補給を届けたり、エースの機材が故障したら自らの機材を差し出したり、エースが苦しい時に精神的に支えたりなどがアシストの仕事です。このようなアシストの性質から、欧州では昔から「ドメスティーク(下僕)」と呼ばれており、選手たちも自らをそう自称する選手もいます。彼らの大半はレースの記録に残りません。なぜなら勝者として記録されるのはエースの名前だけだからです。レース終盤、アシストたちがエースを信じて最大限の献身をしたあと、各チームのエースたちによる熾烈な着順争いが行われます。アシストの献身に報いようと戦うエースはものすごい力を発揮し、平地を爆発的に疾走したり標高数千メートルの山々を羽根が生えたかのように登って行き、それらが観客を魅了します。勝利したエースはサポートしてくれたアシストに感謝して、アシストもエースの勝利を自分の勝利のように喜びます。
「self-sacrifice」は東大ハンド部を支えてきた諸要因の一つだと私は考えます。各々が限られた学生の時間を部活動に費やし、全体の目標のために自己をある意味犠牲にしています。もちろん、試合にでられる選手や出られない選手の違いや、得点を多く決める選手とそうでない選手の違いはあると思いますが、それぞれが各の役割を果たしています。もし、自分の現在の役割に疑問を感じるような人がいるならば、ロードレースにおけるエースとアシストの信頼関係をみて目標達成のための役割分担の必要性と自分が東大ハンド部には欠かせない存在であることを再認識して頑張りましょう。私も頑張ります。
末筆ではございますが、OBの方々をはじめとする東大ハンド部を応援してくださっている皆様にお礼を申し上げます。