【新歓】部員日誌2025 新4年 井出皓己

こんにちは。東京大学運動会ハンドボール部4年主将の井出です。

新体制となって、もう半年が過ぎようとしています。

3年前の自分がこのチームに入部した時のことを思い返すと、このチームは関東リーグの2部にいました。およそ10年ぶりの春秋2期連続の2部自力残留だったようです。下級生だった自分は、無責任にも、このままチームは順調にうまくいくのだろうと思い込んでいて、だからその当時の自分の目標はとにかくチームの水準に追いつくことにだけありました。

ところが、実際には、その次の代の春リーグでこのチームは3部に落ち、その後現在に至るまで3期連続で3部に沈んでいます。

何かを変えなければなりません。これまでと同じようなことを繰り返していては前進しません。去年の秋に僕自身の代が始まるにあたって、チームが再び2部の舞台で戦うには、このチームの組織としての面を変えなければならないと考えました。
自分が入部してからのこのチームは、組織としての規律や、あるいは上級生・下級生の役割の遂行が十分ではなかった。これは入部してからの2年半、このチームの様々な状態を見てきた中での自分にとっての事実ではあります。しかし、そういった面にチームの弱さの原因を遡求することは表層的な議論なのかもしれません。もっとシンプルに、組織とはそもそもどのようなもので、どのような組織が良くて、どのようにすれば組織は良くなるのか、考える必要がありました。

組織の核、より中心となるものは一体何なのでしょうか。規律や、上下の関係の中での役割というのは、実際には組織の運営をより円滑に回すための手段にすぎません。現代には、様々な形の組織があります。規律や上下の役割といったものは組織の存立要件には必ずしも含まれません。

ところで、組織の発揮できる力の最大値は、組織を構成する各人の力の最大値の総和に過ぎないというのが僕の考えです。各人の相乗効果で素晴らしい力が発揮されたように見えたとしても、具に観察すれば、それは各人の本来的に持っていた力が十二分に発揮されただけに過ぎません。

それでは各人の力はどのようなものなのでしょうか。組織の力は各人の力の総和を超えませんが、その一方で組織を構成する一人一人の持つ力というのは無限の可能性を持っていると考えています。

生まれたばかりの赤子の時は何者にでもなれる無限の可能性を持っていて、成長とはその可能性の放棄の過程だとはよく言われることですが、実際に、本来的に1人の人間の持つ力というのは、壮大で宇宙的な大きさを持っています。とある著名な事業家が、どんな歴史的な偉業も1人の個人の信念や生き方の持つ力によってのみ成し遂げられるとどこかで言っていました。1人の個人の無限の力が、組織の動力源になります。

したがって、組織が発揮できる力は所詮各人の持っている力の最大値の総和を超えないが、その各人の持っている力の最大値はどこまでも大きくなり得る。まとめると以上のような言葉になります。

では各人の力を組織の中で最大限引き出すにはどうすればいいのか。それは全員がビジョンを共有し、尚且つ内面化するということです。そしてこれこそが組織を、目的を持たない単なる人の集まりである集団と区別するものに他なりません。

どこまでいっても、組織を動かすのは組織を構成する一人一人の人間です。その一人一人の人間が集まり、力を合わせて同じ方向に進むためには、組織としての最終的な理想であるビジョンを知り、理解し、全員で共有し、各自の頭や身体に落とし込むことが必要です。これは言い換えると、各人が「自分事」の意識を持って動くということです。「自分事」というのは他人事の逆の概念で、組織に起こる全てのことを自分自身に起きたことだと悟り行動するということです。組織としての理想たるビジョンを自分自身にとってのものと捉え、他の誰でもない自分がそれを体現し組織を良い方向に動かすという覚悟です。組織に起こるどのような問題も全て自分1人で解決してやるという意気込みです。自分自身が組織にとっての全てだと信じることです。

組織を構成する一人一人の人間と、その人たち全員の間で共有し、内面化されるビジョン。これが組織の核だというのが、僕の考えです。

このことを踏まえて、このチームを組織としてより良いものにするために、新体制となってからの半年間、部員の皆にも協力してもらいつつ、僕がやりたいと思ったこと、あったらいいなと思ったこと、様々なことを皆んなで行ってきました。少なくとも僕が入部してからこの代が始まるまでの2年半の間にはやってこなかったことにも挑戦しています。

僕たちがこの半年間やってきたことは決して間違っていない。きついこともしてきたし、少なくとも、3部のどの大学チームよりも僕らの方がトレーニングを積んでいる。

春リーグはいわばこの半年やってきたことの成果を披露する場所で、そう思うと非常に楽しみでなりません。チームのみんなには、発表会の舞台だと思って、存分に暴れてほしいと思っています。そしてやってきたことの正しさを証明しよう。

最後に、我々のビジョンは「東大一憧れられるチーム」です。重要なのは、このビジョンが部員全員で内面化され、ある種の行動規範になることです。そして、そのビジョンを達成するための指針として、勝ちにこだわること、新しいことや面白いことに挑戦し変化を恐れないこと、ハードにやり抜くことの3つを提示してきました。もう春リーグまで20日ほどとなった今、全員でこれらのことをもう一度振り返って練習していきましょう。

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