部員日誌 新修士2年 澤田智寛 コーチとは

代替わりしてから、つまり自分がコーチに就任してかはや4ヶ月が経った。いざコーチとしての活動が始まると、自分が現役の時に想像していたよりもやるべきこと、考えるべきことは多く、かつそれを研究に追われながらこなさなければならないことに衝撃を受けた。何食わぬ顔で部活にフルコミットしてくれていた歴代コーチの方々には頭が上がらない。また、自分はもう痩せ細ってしまい、中に入ったとしても現役の相手にはあまりなれそうにはない。バリバリで現役を翻弄していた歴代コーチの方々の偉大さに気がついてしまった。自分も筋トレを再開するか、とぼんやり思ってはいるものの、行動に移せているかは微妙である。

さて、このように歴代コーチの偉大さに思いを馳せながら、自分なりにコーチとして活動してきた上で、必要だと気づいたことが3つある。

1つ目は、常に冷静であること。人間誰しも感情的になる瞬間はあるが、コーチだけは試合中に何が起ころうとも視野を広く持ち、冷静かつ合理的に判断を下し、全体をコントロールしなければならない。
2つ目は、選手を成長軌道に乗せること。自分が思うハンドボールを教えることも重要であるが、教えるだけでは選手は考えることを止めてしまう。また、そのような教えは往々にして自分の成功体験に基づいており、別の選手に合わないことも多い。そのような直接的なアドバイスを与えるのではなく、選手自身が考え、実行し、学びを得て上達するという成長のサイクルに乗ってもらうための気づき・きっかけとなるような考え方や方法論を与える。これが長期的に強いチームを作るために必要なことだと感じる。つい考えを押し付けてしまう時も未だにあるため、自分としても改善の余地のある点だと認識している。
3つ目は、選手と信頼関係を築くこと。選手の悪い点について考えを巡らすばかりではなく、しっかり各々の役割を果たしてくれると信じてコーチは選手を送り出す。選手はコーチの起用や指示を信じて自分の役割、またはそれ以上のことをできるよう取り組む。信頼がチグハグのままだと、チームの方針は崩れ、各々がやるべきことも明確にならず、チームは一丸となることができない。このような信頼を醸成するためには、コーチと選手が考えを共有することが必要となる。この点に関しては、完璧と言えるかは分からないが、普段の練習や導入した日記制度などを通して地道に取り組んできたつもりだ。

自分は依然として未熟であり、上に挙げたことも十分にこなせているとは思っていない。歴代コーチに比べれば頼りない存在ではある。同期でありキーパーコーチである吉崎のように、声を張ることもチームの士気を上げることも得意なわけではない。それでも自分ができうる限りのことを実行し、コーチとしての責務を果たさなければならない。自分が経験することのできなかった、2部という舞台で後輩達が戦い続けられるよう、まずは春リーグの2部残留を必ず決める。

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